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俺も、ハンドルに肘をかけながら、振り向いて匠を見た。
「匠。あとは、お前に任せる」
「ボスまで??なんでそんなこと言うんだ?!」
匠は身を乗り出して俺の肩を掴んでくる。
「俺たちが全員やられたら、瑠生と美衣はどうする?」
「それは…!」
「匠。こうしてる時でも、いくらダグラスたちが匿ってくれてても、瑠生たちが危ない。匠。あなたには瑠生たちのそばにいてあげてほしいの」
「ふざけるな!!あんたたちと離れない!俺も一緒に行く!!」
匠の肩が僅かに震えている。俺はまた鈴音と顔を見合わせて微笑むと、同時に匠を見つめた。
「瑠生を頼むよ」
「瑠生を。幸せにしてあげてね」
俺と鈴音がそう言うと、匠はポロっと涙を頬に零して、悔しそうに泣き出した。
「生きて、…帰ってきてくれよ!!あんたたちは、俺の………!」
その先は、もう言わなくても分かるよ。
俺たちは、家族だ。
匠。
ありがとう。
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