重い瞼を開けてみよう。

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   え、と小さく声を漏らした瞬間カーテンはさっと閉められてしまう。意味が判らなくて瞬きを繰り返していると、額田先生の気配がそこから消えた。 「よう、どうした」  親しげな、額田先生の声。その感じで、校内の生徒ではないと言うことが窺えた。彼は他の生徒に接する時、話し方が明らかに違う。本当に先生、という感じだから。 「佐奈と会う約束してるの。聞いてない? ここで待っててくれって」  ドクン、と心臓が大きく脈打った。  ……愛美さん、じゃないか……。  大きく跳ねた鼓動のおかげで、一気に息苦しくなった。  俺は意味なく胸元を押さえて、どこを見たらいいのかと視線を彷徨わせる。けど、視界にはとりあえずカーテンだけしかなくて、自分の手に視線を落とした。 「お前らなあ、ここを待ち合い所にすんな」 「知らないわよ。そんなのは佐奈に言って」  とすん、と隣のベッドに軽く腰かける気配がした。びくん、と反応してしまった自分がおかしくて、思わず口を手で覆う。 .
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