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「さて、うだうだ言ってるうちにすぐ春休みになって、3年生だな」
机の上の書類をトントンとまとめながら、額田先生は壁にかかっている時計を見上げる。
その仕種で、いつもより早く佐奈さんが来るんだろうな、ということが窺えた。
「そうですね。憂鬱ですけど……じゃあ、俺はそろそろ」
「おう。気をつけてな」
お互い無意識に相手が何を察しているのかを理解しているから、こういうやりとりもスムーズだ。
俺は白衣を脱ぐ額田先生に無言で会釈して、保健室から出た。
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