深く落ちる響き

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「ひとつ、訊いてもいいですか?」  用を足したあと、ちいちゃん──篠崎千歳は、手を洗いながら鏡を見据える。  ちいちゃんの後ろに立っていたあたしは、必然的に鏡の中の彼女と目が合った。 「え? なに?」  ただならぬ緊張感に、あたしは内心ドキッとする。  彼女が何を言い出すつもりかなんてまったく予測がつかなかった。  すると、ちいちゃんは再生紙のタオルでさっと手を拭き、あたしに向き直る。 「……織部先輩、会長のこと、どう思ってるんですか?」  何を訊くんだ、というのがどうやら顔にも出てしまったらしく、ちいちゃんはきゅっと口唇を噛み締めた。 「お、幼なじみとか、クラスメイト以上の感情は……あるんですか?」  胸元で、両手をぎゅっと握り締めるちいちゃん。 「ないよ、そんなの」 「……本当ですか?」 「うん。本当」  きっぱりとそう言い切ると、ちいちゃんはハア……と大きな溜め息をついて、洗面台に軽くもたれた。 「やだ、すみません。いきなり織部先輩にこんなこと……すみません。ホント、恥ずかしい」 「……収のこと、好きなの?」  ちいちゃんはばっと顔を上げると、その頬を赤く染めた。そして、潤んだ瞳であたしを見つめる。 .
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