深く落ちる響き

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  部屋に戻ると、収が昔のバンドの有名なラブソングを熱唱していた。  たぶん、ちいちゃんが戻ってくる頃を見計らって入れた曲が先に流れ出してしまったんだろう。 「あ、私これ好きなんですよー!」  満面の笑みを浮かべ、ちいちゃんは小走りで収に駆け寄り、ちゃっかり彼の隣に腰を下ろした。  こうして客観的に見ると、ちいちゃんも積極的というか、あからさまというか……。  ほっといてもまとまりそう。  収の鈍さを小さく笑って、あたしはゆっくりとドアを閉めた。すると、手前にいた坂田さんがあたしに手招きをする。 「あの子が奥行っちゃったから、ここしか座れないよ」  ちいちゃんの方をチラッと見て、坂田さんは自分の隣をあたしに示す。 「そ、そうですね」 「今、お菓子頼んだから。来たら真っ先に受け取って食べてしまおうね」  あたしが緊張しながら腰を下ろすと、坂田さんはようやくくつろげる、というようにソファーに身体を預けた。  ……ひょっとしたら、ここで坂田さんの歌、聴けちゃったりするのかな……。 .
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