深く落ちる響き

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  「さっき、あんまり食べてなかっただろ。なくなると思って、気を遣ってたんじゃないかと思って」  理由はだいぶ違うけど、あたしが全然食べてなかったの、気付いてたのか……。  一口サイズの唐揚げは、口をそんなに開けなくて済むから助かる……かも。  ありがとうございます、ともごもご口にして。あたしは、一口サイズの唐揚げをそれでも二口くらいに分けて食べた。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  やがて、最初にみんなで決めた3時間、というタイムリミットが迫ってきた。  あたしも適当に何曲か歌ったけど、坂田さんはまったく何も歌わずに、ただ聴いているだけだ。  さすがに気になったのか、収は液晶の前を屈みながらこっちまで回り込んできた。 「坂田さーん、割り勘なんだから1曲くらいお願いしますって」 「いや、だから……いいんだよ、ホントに。苦手だから。ちゃんと楽しんだし……」 「坂田さんがよくても、俺らが気を遣っちゃうじゃないですか」  すると、坂田さんは真面目だね、と苦笑する。少し考えるようなそぶりを見せると、収の耳に顔を寄せた。 .
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