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「最後には入れないでね。最後は、他の人にして」
「判りました!」
満面の笑顔を見せると収は自分の座っていた場所に戻り、リモコン片手に何か曲を入れた。
すぐに1年の子がまた曲を入れてしまったから、タイトルが判らなかった。
やがて、液晶にタイトルが表示された瞬間、収から坂田さんにマイクが回ってくる。
──“サボテン Sonority”。
サボテンってポルノグラフィティの……と思うと、坂田さんは歌い始めた。
ウソツキ、って、すぐそばにある肩を叩きたくなってしまう。飛びぬけて上手、というわけじゃない。それは、確かに。
でも、よく響くいい声がくせになりそうな感じ。そのまま聴き入っていたあたしの中に、違和感が生まれた。何か、違う。
何度も聴いたことのある“サボテン”のはずなのに、何か違う──。
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