軽い眩暈が友達で。

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   普通の高校生男子なら、“この子、俺のこと好きなのか”という勘違いをしてしまうだろうから。  彼女を見ていると、そういう“よけいなお世話”という2つの意味での心配が俺の中に過ぎってしまう。  心配になってしまう理由はたぶん、この織部陽香という女の子に、長倉さん達が持っているような、ある種の打算的な腹黒さがないからなのだろう。  よく言えば素直で正直、悪く言えば色気がない。未成熟、という意味で。  まあ、こういう女の子は貴重だから、できればそのまま大人になってもらいたいけど。  彼女とはひとつしか違わないのに、オヤジみたいなことを考えてしまった。  すると、会計を済ませた連中がぞろぞろと出てくる。  フロントの前で突っ立っているのもなんだからと、ロビーで待っていた俺達は振り返った。 「収、雨。雨降ってる」 「何だとー!」  ぱたぱたと走ってきた佐久間は、自動ドア越しに外の風景を見ると、愕然とした。 「誰か、傘……って言っても、1本や2本で足りるわけないよな」  佐久間の横顔を見ながら、俺はふと思い出した。 .
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