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「坂田さん、斉木さん、この張り紙には気付かなかったことにしましょう……」
あまりにも大胆なその行動と発言に呆気に取られていると、斉木がびしゃびしゃと水を浴びながら「張り紙って何!?」と実にストレートな問いを寄越してきた。
すると、織部陽香は斉木の姿を見ながら苦笑する。
「……いえ、斉木さんはそのままで、もう少しだけ待ってて下さい……」
「は、早くね! 寒くて……」
どう見ても、寒いどころじゃないんだけど。
見ているだけで凍えてしまいそうな気がして、俺はそのままドアを閉めた。
「おい! 坂田! 助けろー!」
「気付かないで入ったお前が悪いんだよ。少し待ってて」
店員さんがやってくるまでの間、俺達は斉木の叫びを聞き続けることになった。
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