軽い眩暈が友達で。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「遅くなって、ごめんね」  いえ、と小さく頷く彼女を見て、小さく笑いが漏れる。  ずぶ濡れの斉木を、そのまま家まで送り届けたところだった。  カラオケ店の店員さん達は着替えを用意してくれる、と言ったけど、そんなことしてたら打ち上げに間に合わなくなる、と斉木が自分で言い出した。  かろうじて無事だった斉木のカバンは、俺が持って帰ってやった。  この季節では風邪でも引いてしまうのでは、と織部陽香がやたら斉木を心配してくれたけど、馬鹿は何とやら、の法則はあながち間違ってはいないらしい。  寒いと喚くだけで震え出す様子もなく、斉木は無事家まで帰りついた。そのまま風呂に入るらしい。  この分なら、2時間後に迫ったクラスの打ち上げには、余裕で間に合う。  俺も着替えてから1時間後にまた来るよ、と斉木に言って、今この状況……というわけだ。  聞けば、織部陽香と俺は同じ駅だという。だから、少し遠回りして彼女を送り届けることにした。辺りはもうだいぶ暗くなっていたし。 「あの、坂田さん……もう大丈夫ですよ。この辺り、小さい頃から慣れてるし……」 「……迷惑かな? もしかして」  織部陽香は、傘の陰でまた顔を赤くする。 .
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