拒否をしないこと。

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   そういえば、学年末は気が抜けるって額田先生が言ってたっけ。  うちの担任は熱があっても這うようにして学校に来ていたな、ということを思い出した。  まあ、3年生の担任はやることが多そうだから、休めないんだろうけど。 「そういえば、額田先生には気をつけなよ」 「え?」  額田先生を思い浮かべて、言っておかねば、と思った。  こういう女の子に、あの人の本性はきつすぎる。  俺の知り合いというだけで、持ってる牙をちらつかせかねない人だし。  知らず知らずのうちに何度も噛み砕かれた斉木が不憫だったし……。 「あの人普段は優しいけど、それだけじゃないから」  すると、織部さんは俯いた。 「……なんか、判ります」  その表情で、既に遅かったか……と思った。  まあ、必要以上に警戒して怯える必要はないけど。  ただ、俺はあの人が“高校教師”のカテゴリーに属しているのは何かの間違いだと思う。 「額田先生にじっと見られるだけで、落ち着かないです。先生は別に何か考えてるわけじゃないんだろうけど、それでも、何だか……」  もぞ、と。  自分の中で、普段はあまり動かない嗜虐心が反応したのが判った。 .
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