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「何か、グロとホラーっぽい。でもこういうのに騙されちゃ駄目なのよ」
「?」
瀬戸さんは、もう一度俺にじっくりとパッケージを見せた。
暗い目をした女の人と、不気味なメイクの男の子の集団。“変態”というワードと男の子と、女の人。
いかがわしい。
「日本に入ってくる映画って、配給会社が改題することが多いのよ。日本人の興味をそそるように」
「ああ、確かに原題とは意味が違うタイトルの映画、ありますね」
「まあ、最近は配給会社も頭使ってなくて、カタカナにしただけ、っていうのも多いけど」
「手厳しいですね」
「まあ、マイナーな映画って面白いのも多いけど。本気で馬鹿馬鹿しいことやってたり」
瀬戸さんは“変態島”のパッケージをもう一度まじまじと観る。好奇心でいっぱい、って感じだ。
「でも、気をつけなきゃいけないのはフランス映画よ」
……ぴく、と反応してしまいそうになった。
けっこう、好きなジャンルなんだけどな。フランス映画には有名どころでリュック・ベッソンがいる。
“レオン”や“フィフス・エレメント”の監督だ。脚本やプロデュース作品まで拾うと、観るのが大変な数の作品に関わっている。
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