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恋や夢に敏感で、肌から伝わるぬくもりが好きで、夢見がちで、純粋で。
純粋すぎるが故に、この映画のヒロインは幸せから遠ざかってしまう。
愛美さんはベティとは似ても似つかないけれど、女として何か感じるものがあったんだろう。
少なくとも、俺に勧めずにはいられない程度に。
それなりに考えさせられるし、引っかかることもたくさんある……と思わせられる映画だったな。
自分に、ああいう恋愛ができるとはとても思えないけど。
すると、何やら彷徨う足音が聞こえてきた。
何か映画を探している、という感じではない。なのにあっちへふらふら、こっちへふらふら、定まらない足音。
足音くらい別になんでもいいけど、今はやたらそれが気になってしまう。
首を傾げながら、カゴの中身を戻すべき棚がそちらにあることもあって、俺は足音に向かって進んだ。すると。
「あっ、いた……」
驚き混じりの小さなささやきが聞こえて、俺はそっちを見る。
そこには、制服姿の織部陽香がいた。
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