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「お、収がちいちゃんに告白したかも知れないんです、今日……」
「ちいちゃん？」
「あ、あの小さい女の子です。収の好きな子……」
「……？ そうなの」
うまい相槌が見つからなくて、ついそっけない返事をしてしまった。
だって、なんで今このタイミングで佐久間の話が……？
確認するように、俺は織部さんの顔を覗き込む。
「……帰ったらメールするよ。だから、早く帰らないと」
「え」
さっきから「え」の回数が多い彼女の気持ちが手に取るように判って、さっきからこらえていた笑いがまとめて漏れた。
“まだ帰りたくない……”と媚びて潤んだ瞳で可愛く見上げられるのも悪くないけど、今の織部さんにそうされたら、たぶん俺の方がきょとんとしてしまう。
「心配しなくても、また明日会えるから」
「……坂田さん……」
俺と離れがたくて無理に話題を振ってきた彼女が、なんだかいじらしい。
「……とはいえ明日、バイト休みなんだよね」
「そうなんですか……」
しょんぼりと肩を落とした織部さんを見ながら、ちょっと自分の理性と相談した。
「明日、俺の部屋、来る？」
言った瞬間、織部さんが今日一番のきょとん顔をした。
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