おりこうさんな君。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  ──そうは言っても。  何もかもが初めてな彼女相手に、無茶をしようとは思っていない。  キスにしたって、ひとつひとつ教えてやりたい。  彼女の方が焦れったくなってしまうくらい、それはじっくりと、丁寧に。  何だかオヤジくさい楽しみ方だ。  でも、高校生からしてみれば、そこから押し出された年上の人間なんてみんなオジサンやオバサンだろう。  自分が高校生のときそういうことを考えていたわけではないけど、何となくそうだろうな、と思った。  まあ、どれだけじっくり段階を踏んだって、陽香が自分から次のことをねだり出すとは思わないけど。  そんなの、一度最後までやってからまた新たに現れる段階の話で──とにかく、まだまだ先の話だ。  自分がどこまで余裕を持って挑めるだろうか……なんて思うと、少し楽しかった。  そんないかがわしいことを考えながら駅に向かっていると──肩を落としながら歩いていく制服姿が目に入る。  この時間まで高校生が制服姿でうろつくことなど、ほとんどない。  不思議に思って、俺は少し足を速めた。 .
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