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「万が一だよ。刑事事件に発展しかねないことだし、これ」
わざわざ佐久間を脅してるっていう時点で、その子は構ってもらいたいだけのはずだ。
見たわけじゃないけど、写真には少なからずその女の子の痴態も含まれているわけで。
普通の女の子なら、そんなもの人の目に触れさせたいわけがない。
だから、きちんと話さえできれば相殺できる問題だ。
写真が流れて事件になる、なんてことにはならないだろう、とは思うけど。
ただ、言葉通り万が一、ということがある。
そのとき脅された証拠がないと、佐久間はただのハレンチな変態、として片付けられてしまうだろうから。
「携帯もね、ショップに行って目の前で穴開けてもらって、ちゃんと破棄した方がいいと思う。入ってるモノがモノだし」
「……坂田さんに会えてよかったような、悪かったような……」
俺に会ってなかったら、帰り道どこかで携帯を捨ててしまいかねなかった佐久間は、身体を起こして再びうなだれた。
「さっき、俺のこと怖いって言ったけど」
「へ?」
「俺からしたら、女とやってる最中に“そうだ、写メ撮ろう”なんて考えられる佐久間の方が怖い。俺は遊びで女の子の身体愛でたりしないから」
佐久間は再びテーブルに突っ伏した。額を打ち付けるゴツン、という音が響く。
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