245人が本棚に入れています
本棚に追加
『……あんな、ズキズキするようなこと、言わないで……もう……』
……ズキズキするのはこっちだよ、馬鹿……。
胸と、人には言えない場所が痛いくらい疼いて、思わずそばの壁にごつん、と強めに額を押し付けた。
どうやら俺は、自覚以上にこの処女に参っているらしかった。
……下衆で申し訳ないけど、陽香の中に入れてもらえるのはいつになるんだろう。
この娘とのことは段階を踏んで、大事にしよう──なんて思った最初の自分を、もうとっくに裏切りたくて仕方がなくなっていた。
さっきはそれをありがたく思って、本気で愛おしく思ったくせに、勝手なものだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!