海中における氷山の姿とは

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   昼休み。  何事もなかったかのように登校してきた収は、昨日片付け損ねた雑務の整理をする為、昼食用のパンを持って職員室に向かった。  そうやって収が空き時間を使って先に仕事を把握してくれるから、副会長以下がスムーズに動ける……ということを、あたしは4月から生徒会に参加し始めてようやく知った。  落ち着きのないヤツ、とこっそり思っていたことをすまなく思ったりする。  教室を出て行く収の背中を見ながら、今日の放課後からはいつも通りなのかな……と、呑気に考えていた。  それから数分も経たないうちに、その人はやってきた。 ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「佐久間収、いる?」  教室中に響き渡るような声に顔を上げると、前の方の扉のところに、見慣れない女の子が立っている。  もう2年以上もこの学校にいるのだ、辛うじて同級生なのだということは判った。  だけど1年と2年のときに同じクラスじゃなかったのなら、基本誰なのかはよく判らない。  部活に精を出していたわけでもないから、なおさら。 .
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