海中における氷山の姿とは

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   明るい茶髪で、でも綺麗に毛先を切り揃えた、今どきにしては厚めのおかっぱ頭。  軽くメイクを施してあるその女の子の顔つきは、あくまで普通の粋を越えないと思う。  派手すぎず、地味すぎず。どちらかというと地味寄りのあたしとそう変わらない感じの。  収がモテるのは確かだけど、彼が忙しく動き回るものだから、教室にまで訪ねてくるような子はあまりいない。  ぎゅっと口唇を結んだおかっぱさんの妙な威圧感に、クラスの誰も返事できずにいた。  再放送で見た、とある商社の庶務二課が舞台になっているドラマの主役の、背の高い女優さんの威圧感に近いものがある。  どうしたものだろう、と思っていると、そのおかっぱさんはぐるりと教室を見回し──何故だかあたしで視線を止めた。 「えっ!?」  よせばいいのに、思わず反応してしまった。  すると、おかっぱさんは見つけた、というような顔をする。  おかっぱさんは、そのままずかずかとあたしの席までやってきた。 「え、あの、何でしょう」  威圧感のせいで、いきなり怒られるのかと思った。  するとおかっぱさんは、ぎゅうっと絞るように眉間に皴を寄せ、中腰であたしの顔を覗き込む。 .
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