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思わず佐久間に詰め寄ってしまった自分をこっそり恥じながら、元の問題のことを思い起こす。
佐久間は、普段はあんなにいいやつなのに──まさか、肝心な部分のモラルが抜け落ちている人間だなんて、あまり知りたくはなかった。
陽香が佐久間のそういう部分にまったく気付いていないことに感謝しつつ、相手があることだからどうしたものだろう、と考えてみる。
自分のことじゃないし、そんなことまで俺が考えてやる必要はないんだけど……やっぱり無関心ではいられない。
これがただの好奇心なんかじゃないことは、自分が一番よく判っている。
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