気づく悠哉

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私は今、最上階目指して階段を勢いよく駆け上がっていた。 今日は水曜日。 午後一番に会議が入ってるっていうのに、お昼休み社員食堂で過ごしていたら、すっかり会話に夢中になってしまった。 そこで幸恵に会い、しかも恋人の大谷さんも一緒だったわけで…。 大谷さんを見てびっくり。 私、てっきり年上の人かと思ってた。 まさか年下だったとは…。 いや、ひとつしか変わらないから気にならないけど、とてもフレッシュに見えた。 …フレッシュって表現、古いかな。 会話は弾むわで、ギリギリまで時間を使ってることに気づかなかった私がいけない…。 しかもエレベーター混んでるし。 待つよりも自分で向かったほうが早いと判断した私は、階段を選んだ。 ああ~!急げ~! 小会議室のセッティングしなくちゃ~! なんとか最上階につき、カウンターに両手をついて、息を整えようとした。 「ハァ、ハァ…、さ、酸欠でヤバい…」 ものすごい勢いで登って来たせいで暑いし。 私は、スーツの上着を脱いで椅子にかけ、ブラウスの袖を肘まで捲りあげた。
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