気づく悠哉

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バックの中からベージュ色のシュシュを取りだし、髪の毛をひとつにまとめた後、フラフラになりながらも小会議室へと向かった。 テーブルや椅子を並べ、ボードを用意したりしていた。 すると、ドアがガチャッと開いた。 あ~、もう皆集まる時間!? ドアが開いたと思ったら、中に入ってきたのは高野課長。 「あ、高野課長。すいません!今セッティング終わりますから!」 「やぁ、相沢さん。…まだ時間あるから急がなくても大丈夫だよ」 「え!?そうなんですか?」 「うん。1時半からだから」 うそ?…なぁんだ、そうなんだ!よかったぁ! ホッとしていると、高野課長が私を見つめていた。 …ん? 「高野課長?…どうかしましたか?」 「あ、いや…、相沢さんが髪の毛結んでるの、珍しいなぁと思って」 それを聞いて私はアハハと笑った。 「さっき階段を駆け上がってきたんです。ものすごい勢いで来たので、暑くなってしまって…」 高野課長がクスッと笑った。 「結んでるのも、似合ってるよ」 「あ、…ありがとうございます」 私は直感した。
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