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俺が部屋で支度を済ませていると、玄関からなるの声が聞こえた。
まさか、また先に行くつもりなのか?
「なる!途中まででもいいから車に乗っていけ」
そう声をかけたが、返事がない。
ドアから顔を出してみると、物音ひとつしなかった。
もう出たあとか…。
なると一緒の朝は、いつも賑やかだな。
そう思いながら、クスクス笑ってしまった。
しばらくソファーでゆっくりした後、俺も家を出ようと玄関へ。
歩いて行くと、そこに何か転がっているのが見えた。
近づいてみると、それはなるの携帯。
その携帯を手にとり、俺は苦笑した。
どうしてこうも見事に抜けてるんだろうな?…しょうがない。持っていってやるか。
なるの携帯をスーツのポケットにしまった後、俺は家を後にし車で会社に向かった。
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