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会社へ着き、いつものように挨拶されながらエレベーターの前までやってきた。
ボタンを押し、ドアが開くのを待っていると、後ろから挨拶された。
「社長、おはようございます」
…この声は…。
俺が振り向くと、そこに立っているのは高野。
「ああ、おはよう。…今出勤か?」
「あ、はい。ここへ来る前に、取引先へ
書類を取りに行っていたので」
「そうか…、それはご苦労」
「いえ、社長も出張お疲れ様でした」
「ああ…」
俺が返事をしようとしたとき、いきなり携帯が鳴り出した。
ん?誰のだ?
そう思って高野を見ると、俺の方を見ている。
…俺の?
自分の携帯を取り出したが、鳴っていない。
…ということは、なるの携帯か?
俺は、さっきスーツにしまいこんだなるの携帯を取り出した。
見てみると、鳴っていたのはやはりなるの携帯。
さて、参ったな。俺が出るわけにもいかないだろ。
どうすることもできずに、その携帯を見つめていた。
しばらくすると、携帯がなり止む。
ふぅっと一息つくと、エレベーターのドアが開いた。
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