全てがマイナスに働く-1

14/17
1054人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
高野のその言葉を聞いて、俺は府に落ちなかった。 なるは高野と、恋人がいる話しまでしていたのか? 俺は目を細めながら、次の言葉を考えていた。 高野のなるに対する気持ちを知ってる以上、なるには悪いが、誤魔化すつもりはない。 「俺がなるの恋人だとしても、…高野には関係ないだろ。…なぜお前に探られなきゃならないんだ?」 そう言いながら、俺も高野の方を見た。 怯むかと思っていたが、高野が負けじと視線を外すことなく俺を見ている。 「…社長」 空気が冷たい気がした。 「俺、…相沢さんのこと、だいぶ前から思ってました」 …そんなこと知ってる。今さら驚くことじゃない。 そう思って高野から視線を外した。 「…自分の気持ちは、もう相沢さんに伝えてあります」 俺は高野のその言葉を聞いて、二度まばたきした。 …何? …今、伝えたと言ったのか?
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!