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ピンポーン。
インターホンの音がして、俺は目が覚めた。
いつの間にか俺もウトウトしてたらしい。
前髪をかき上げながら上半身を起こした。
なるは、隣で気持ちよさそうに寝息をたてている。
ピンポーン。
時計を見ると、もう10時近い。
こんな時間に誰がくるっていうんだ?
部屋の明かりはついたままだし、出ないのは不自然だよな。
しょうがない。なるを起こすか?
俺はなるの頭にそっと触れ、声をかけた。
「なる、起きれるか?」
「………ん…」
声がもれたかと思ったが、寝返り打ち俺のほうとは逆を向いてしまった。
抱いた後、なるは大抵目が覚めないのを知ってる。
ピンポーン。
参ったな。俺が行くしかないか。
「なる、俺が出るからな」
そう声をかけて、ベッドから出た。
服を着てワイシャツを羽織り、ボタンを二、三個しめながら玄関へ向かう。
ピンポン、ピンポン、ピンポーン。
おいおい…、押し方が尋常じゃないだろ…。
ドアノブを握りガチャッとドアを開けた。
「お姉ちゃ~ん!助けて~!」
「………ん?」
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