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「クカカカカカカッ!!」
警察官の上げた悲鳴が余りにも滑稽だった為、鈴木陸は笑い出してしまった。
周りを取り囲む報道陣たちのシャッター音がカシャカシャとざわめき出す。
怒りに燃えた警察官達が突撃をして来る。
こちらは銃を持っているというのによく突撃してこれるものだ。
日本の警察も捨てたもんじゃないな。
と、陸はどこか他人ごとのようにその様子を眺めていた。
あぁ、このまま捕まって終わりか…………
………それじゃあつまらないな。
独房の中で死刑が執行されるのを怯えながら最後の時を向かえる。
そんなのは、退屈だ。
最後の時は人を殺しながら死にたい。
あの肉を切り裂く感触を感じながら死んでいきたい。
近くに手頃な獲物はいないだろうか?
人質は……………全員殺してしまった。
死体を相手にするのはつまらない。
報道陣は……………遠すぎる。
ここからじゃ無理だ。
警察は……………無理だな。銃の弾も既に切れてる。多勢に無勢では肉弾戦になった時点で直ぐに取り押さえられるだろう。
ーーーーあっ!!
なんだよ、直ぐ近くにいい肉があるじゃないか。
彼は、腰に刺していたナイフを抜き、満面の笑みを浮かべながら刺した。
自らの心臓目掛け、
何度も何度もナイフを突き立てた
ザクリッ!ザクリッ!とナイフを突き立てる度に血が飛び散りアスファルトに赤い染みを作っていく。
あぁ!!!
肉を抉るこの感覚!!!
命を奪うこの快感ッッッッ!!
やっぱり殺しは最高だっっっっっっっ!!
猟奇殺人鬼鈴木陸。
彼が最後に浮かべた笑顔は、
子供のように純真で、悪魔のように狂ったものであった。
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