主人公は殺人鬼!!?

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「……………俺って死んだんだよな?」 気が付くと陸は自分自身を見下ろしていた。 体にはナイフが深々と刺さっており、遺体の周りには警察の奴らが群がっていた。 「……………幽霊って本当にいるんだな。」 試しに警察官に触れてみようとするが、触れない。 通り抜けてしまう。 「別に俺は悔いなんて残してないと思うんだがなぁ……………」 自らが何故こんな存在になっているのかが分からない。 死んだら皆、今の自分みたいに幽霊になるのだろうか? 「あっ、そうだ!! 折角幽霊になったんだから銭湯に行って女湯をーーーー」 「あのぉ、こんにちはぁ…………」 突然後ろから声を掛けられ驚きながら陸は振り向く。 「………誰だっ!?、あんた?」 「あっ、天使です。どうぞよろしく。」 「……………天使ぃ? その格好で?」 天使と名乗った人物は、 ヨレヨレのスーツをきており、とてもじゃないが、イメージしてきた天使とはかけ離れた存在であった。 「はい、そうです。 あなたの魂を案内する為にきました。」 そう言って天使と名乗る女は、ハサミを取り出した。 「よっ!!」 チョキンっと、 軽い音がしたかと思えば、死体と繋がれていたヒモが真ん中の辺りで切られていた。 「どうやら本物みたいですね?」 なんとなくだが、天使であることを確信した。 「ご理解頂けたようで幸いです。」 「天使が本当にいるとはなぁ………」 イメージと全然違うため、何か納得がいかないが。
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