背徳の逢瀬

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平日の遊園地になんて ほとんどお客はいなくて 小さな子供を抱き抱えた 若いご夫婦が何組か いる程度。 駐車場から公園の中に 歩いて向かう間も、 ずっと私の手を握っていた聖が ポツリと呟く。 「華蔵寺に遊びに来たのなんて ガキの頃が最後だな俺」 「そうなの?」 「うん、確か高校くらいの時に 付き合ってた女と来たのが 最後だったかも。 なんか色々乗り物が増えてるし」 確かに私が前に来た時より 乗り物が増えてる気がする。 「でも華蔵寺遊園地で 俺達が乗れるのって アレしかねーよな」 笑いながら聖が指をさしたのは この遊園地でも一番有名な 大観覧車だ。
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