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「それ、旦那さんの好み?」
「……………」
無言の私に聖はゆっくりと
窓の外から視線を戻すと
眩しいくらいの笑顔で言った。
「それが俺と紗枝の現実だよね」
彼の放った言葉に、
無性に苛立ちが隠せなかった。
そうしてまた私を
冷たく突き放すなら…。
「じゃあどうしてまた会ったの?」
「……………」
「二次元だけでしか
私を求めていないなら、
会いたいって言われても
断ればいいじゃない。
二次元のゼウスは
そういう人なんじゃないの?」
泣き出しそうなのを
必死に堪えながら、
言葉を投げつけた私を
聖の瞳が悲しそうに見つめている。
けれどもう…
止められなかった…。
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