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「移植を受けて…元気になって
同じ病気で苦しんでる患者さんを
一人でも多く助けることが
本当の医者の
プライドなんじゃないの?」
泣きながらぶつけた言葉に
聖の瞳が大きく揺れた。
「この病気で苦しんだ
聖だからこそ…
患者さんの気持ちを
誰よりも分かってあげれる
医師になれるんじゃないの?
何もしないで死を選ぶなんて
ただ逃げてるだけで
そんなの医者のプライドでも
何でもない!」
息切れしてしまうほど
苦しい胸から吐き出した
私の思い。
これでも彼に伝わらなかったら
もう私には彼の心を
開いてあげる事なんて
きっと出来ないと思った。
涙でいっぱいの瞳に見えていた、
伊勢崎の街並みが緑の森に
遮られて行った時…。
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