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教室に鞄を取りに行く途中
離任式でこの学校を離れる事を発表した担任に遭遇した
手には花束。
生徒の誰かに貰ったんだろうな
彼岸花に似てる。
「藤野くん探したよ
はい、
これ君にあげるよ」
担任が抱き抱えていた花束を俺に渡してきた
「は?なんで…俺に」
「僕を楽しませてくれたお礼だよ
まさか、あの子とくっつくとは思わなかったよ
面白かったよ」
ニコニコ笑う担任
俺はあまり、こいつの事を知らない
俺の担任で古典の教師だと言うこと以外知らない
「意味わかんね…」
「ここは、君が主人公の世界
この世界で君が観客席に座ることは許されてない。
けど、君から見た僕はただの教師
ただの脇役。
そんな僕こそが観客席に座る権利を持っているんだよ
だけどね…君が主人公の世界はもうすぐ幕を閉じてしまう。
そう、僕が観賞出来なくなるってことだよ。
だから、僕を楽しませてくれたお礼に花束をプレゼントしようと思ってね
観客席から花束を…
君にあげるよ」
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