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俺は片桐と先方へ出向き、取引の話しをどんどん進めていた。
「それじゃ、この後の件は次の機会にしましょうか」
相手側が予定を尋ねてくる。
「夏野社長、今週の土日あたり空いてますか?」
「申し訳ない。今週はすでに予定がいっぱいですね」
「ああ、そうですか…」
「その次の週だったら空いてますが」
「あ、よろしいですか?じゃあ、とりあえずその予定で進めていきますか」
予定を組んだあと、俺と片桐は挨拶し、そこを後にした。
片桐が車を運転し、会社へと戻る。
俺は後ろの席で、深く寄りかかりながら外を眺めていた。
「社長、よろしかったんですか?」
「…何が?」
「この予定では、社長に休みがありません」
「…いつものことだ」
俺がそう交わすと、片桐は軽く一息ついた。
「相沢さんに、なんと報告するつもりですか?」
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