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申し訳なそうにしている専務を見て、私は首を振った。
「専務、いいんです。気にしないで下さい。いずれは悠哉の耳にも届いてたと思います。かえって、専務から伝わってよかったと思います」
心からそう思った。
「何があったのかはわかりませんが、私に出来ることがあれば言って下さいね」
そう言ってくれる専務に、私は一礼した。
その後、会社を出て行った。
気付くといつの間にか、自分のアパートの前に着いていた。
あれ、私どうやって帰って来たんだろう?
悠哉のことしか頭になくて、ここまでの記憶がないや…。
鍵を開け、部屋の中に入り、そのままベッドに直行した。
あんなに涙流しても、まだまだ溢れてくる。
しばらく横になった後、これじゃまずいとかろうじて思うことができた。
明日の出勤を考えて、目を冷やした。
悠哉、お願い。私、ちゃんと話し聞いてくれるまで待つから、だから、こんな私のこと、嫌にならないで。
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