全てがマイナスに働く-2

11/11
前へ
/34ページ
次へ
申し訳なそうにしている専務を見て、私は首を振った。 「専務、いいんです。気にしないで下さい。いずれは悠哉の耳にも届いてたと思います。かえって、専務から伝わってよかったと思います」 心からそう思った。 「何があったのかはわかりませんが、私に出来ることがあれば言って下さいね」 そう言ってくれる専務に、私は一礼した。 その後、会社を出て行った。 気付くといつの間にか、自分のアパートの前に着いていた。 あれ、私どうやって帰って来たんだろう? 悠哉のことしか頭になくて、ここまでの記憶がないや…。 鍵を開け、部屋の中に入り、そのままベッドに直行した。 あんなに涙流しても、まだまだ溢れてくる。 しばらく横になった後、これじゃまずいとかろうじて思うことができた。 明日の出勤を考えて、目を冷やした。 悠哉、お願い。私、ちゃんと話し聞いてくれるまで待つから、だから、こんな私のこと、嫌にならないで。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

898人が本棚に入れています
本棚に追加