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私も後に続いた。
悠哉の背中を見つめながら、黙って歩いていた。
すると悠哉は、社長室のドアの前で立ち止まった。
振り返り、私を見ている。
「…なる」
「…はい」
呼んだ後、悠哉は黙ったまま私を見つめていた。
「… 悠哉?」
重苦しい中、微かな声で私も呼んでみた。
すると、私から視線をパッと外した。
「午前中は、今のところ予定に変わりはないが、午後からは片桐んとこの取引先が来るようになってる。時間は片桐に確認してくれ」
「…はい、…わかりました」
そう返事をしながら、私は悠哉を見ていた。
「…以上だ。また予定の変更があっときは声をかける」
そこまで話すと、社長室へ入っていってしまった。
閉められたドアを見ながら、力が入っていた肩をおろした。
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