全てがマイナスに働く-2

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エレベーターの中、悠哉は黙っていた。 …何かあったのかな?…声かけていいのかわからないよ。 私も黙っていると、エレベーターは間もなく最上階へと着いた。 ドアが開き、悠哉はすぐに歩きはじめる。 私も降りて、悠哉に続いた。 社長室へ向かう途中、悩みながらも声をかけてみた。 「社長、今日の予定なんですが…」 悠哉は返事をせず、ただ歩いていく。 …やっぱり、おかしいよね? 「…悠哉?」 社長室の前まで来ると、悠哉がドアを開けた。 振り返ったかと思うと、私の手首を掴んで部屋の中へグイッと引っ張った。 …え!?…何!? ドアを閉め、私をそのドアへと追いやったかと思うと、すぐに両手で囲まれた。 いつもと様子の違う悠哉を前に、私は戸惑うことしか出来ないでいた。 悠哉は、私から目を離さずに、ポケットから何かを取り出した。 「…おまえの忘れ物だ」 顔の前に差し出されたのは、無くしたと思っていた私のケータイ。 「あ、よかった!私、忘れてきちゃってたんだ…」 それを見てホッとした私は、悠哉からケータイを受け取った。 けど、受け取った私の手首を、またも悠哉が掴んだ。
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