全てがマイナスに働く-2

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すると、悠哉が私から視線を外し、顔を下げた。 …悠哉? 「…だが、」 そう続けながら顔を上げ、再び私の瞳を捕らえた。 「なぜ、すぐに返事をしていない?」 今度の表情は、はっきり気持ちが伝わってきた。…悠哉、怒ってる。 「俺と、高野と、…迷ってるのか?」 違う! 違う違う違う違う! 「私、迷ってなんかいません!すぐに返事しようとしたんです!でもあの時…」 ちゃんと説明しようとしたら、悠哉が私の手首をスッと緩め、離した。 かと思うと、後ろへ振り返り、私に背を向けた。 「悪いが、今の俺は冷静に話しを聞いてやれるほど、余裕がない。……仕事に戻れ」 やだ!ちょっと待って!ちゃんと誤解を解かなくちゃ。 「悠哉、私…」 「聞こえなかったか?……戻るんだ」 突き放されたようなその言葉に、自分の手が微かに震えた。 ギュッと下唇を噛みしめながら、声をかけたいのを必死に堪えた。 さっきまで悠哉に握られていた手首を、もう片方の手で押さえながら、私はそっと部屋を後にした。
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