全てがマイナスに働く-2

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社長室のドアを閉めた後、私はゆっくり自分の持ち場へ。 だめ。 …泣いちゃだめ。 なんとか涙を我慢しながら、カウンターまで歩いていった。 頭の中を仕事に切り替えなきゃと思ってるのに、勝手に悠哉の後ろ姿を思い出させる自分がいる。 やだ。泣いちゃだめだって…。 今から、仕事がはじまる。 がんばって、堪えなきゃ。 気づくとエレベーターが開いた。 顔を上げて見てみると、やって来たのは専務だった。 専務が先に声をかけてきた。 「相沢さん、おはようございます」 笑って、ちゃんと、挨拶して。 「…おはようございます」 目を合わせたら危険な気がした私は、すぐに視線を反らした。 「…相沢さん?」 そう声をかけられた後、専務が私の前まで来て顔を覗いてきた。 「…何かありましたか?」 専務の声を聞いて、せっかく我慢していた涙がポロッとこぼれ落ちてくる。 「…っ何でもないです」 すぐ返事をして涙を拭ったけど、専務は私をそっと給湯室の中へ誘導した。 「少しの間、こちらで休みましょう」 緊張の糸が切れたのか、その後拭いきれないほど涙が溢れてしまい、自分でもどうすることもできなかった。
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