全てがマイナスに働く-2

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俺の様子を見かねたのか、片桐が口を開いた。 「今日は、相沢さんを帰らせましょう」 「…なぜ?」 「今の相沢さんを、あそこに立たせるべきじゃありません。それは、会社のためでも、相沢さんのためでもあります。…もちろん、社長のためでも。……よろしいですね?」 「…片桐にまかせる」 そう返事をすると、片桐が静かに部屋を出て行く音がした。 その後右手をおろし、椅子に寄りかかったまま、再び手のひらを見つめた。 きっとなるは、高野の前で顔を赤くさせた。胸の中高鳴らせて、困った表情して、瞳潤ませて…。 他の男に、そんな顔見せるなよ。 そのとき、一瞬でも、俺を忘れたか? そう考えるだけで、腹が立つ。冷静にそんな話し、聞いてやれるわけないだろ? …なのに。 ものすごく腹が立つのに、さっきのなるへの態度を後悔していた。 これっておかしくないか?…どう考えも矛盾してるとしか思えない。 なるは、俺のもの。今もそう思ってる。 だが、それは間違っているような気がした。 …なんでだ? 初めて味わうこの感情と、今まで課せられたことのない難問に、かなり参っていた。 俺に、解くことができるだろうか?
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