晴天-1

17/18
1100人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
笑顔で返事した。 そして、ふと思った。 お母さんたちが、私たちが付き合ってるということを知ってるって、悠哉に言うべきなのかな? こういうのって、どうなんだろう? 別に、悠哉にまでは言わなくてもいいことかな? 「…なる?」 「は、はい!」 悠哉が不思議そうに私を見ていた。 「あ、…ちょっと考えごとを…」 すると、クスッと笑われた。 「なるが考えごとしてるのは、見てればすぐわかる。…で、その考えごとってのは何だ?」 …どうしよう。 なんか、まだ親の話しとかって、しなくてもいいんじゃないかなって思ったりしちゃうんだけど。 でも、言うべき? ああ、ダメだ。悩む。 ここは、ひとまず違う話を。 「あー、あの、…桜!…見に行けるのかなぁって…」 「ああ、もちろん、行くよ」 「え!?ホントですか?」 すると、悠哉はキッチンのカウンターに置いてある卓上カレンダーを見た。 「もう、4月になるもんな。なるの言ってた桜って、満開はいつ頃なんだ?」 「あ、たぶん、中旬ごろだったと思うんですけど」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!