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「…ごめんね。ほんとありがと」
私はまた、なみと和樹くんにペコリと頭を下げた。
夢ちゃんにも謝りながら、なみに私の部屋の合鍵を渡した後、和樹くんに運転してもらい悠哉の家に向かった。
車の中、止めどなく緊張と不安が押し寄せる。
私は、自分の手を握りしめていた。
そんな私を見た和樹くんが、話しかけてきた。
「…大丈夫ですか?」
「あ、うん。…ごめんね」
「…ケンカしたんですか?」
その言葉に、私は首を振った。
「…私がいけないんだ。ちゃんと悠哉に話してれば、こんなことにはならなかったと思うんだけど…」
すると、和樹くんがクスクス笑った。
私はおもいっきり和樹くんを見た。
…なんで、笑うの?
「あ、すいません。…なんか、この前の俺を見てるようで、つい…」
そう言われて思い出した。
「…なみと和樹くんは、もう大丈夫なんでしょ?」
和樹くんが頷いた。
「はい。…俺も、あのときなみにちゃんと話さなかったこと、後悔したんですよ」
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