行かなきゃ!

10/12
前へ
/40ページ
次へ
「…ごめんね。ほんとありがと」 私はまた、なみと和樹くんにペコリと頭を下げた。 夢ちゃんにも謝りながら、なみに私の部屋の合鍵を渡した後、和樹くんに運転してもらい悠哉の家に向かった。 車の中、止めどなく緊張と不安が押し寄せる。 私は、自分の手を握りしめていた。 そんな私を見た和樹くんが、話しかけてきた。 「…大丈夫ですか?」 「あ、うん。…ごめんね」 「…ケンカしたんですか?」 その言葉に、私は首を振った。 「…私がいけないんだ。ちゃんと悠哉に話してれば、こんなことにはならなかったと思うんだけど…」 すると、和樹くんがクスクス笑った。 私はおもいっきり和樹くんを見た。 …なんで、笑うの? 「あ、すいません。…なんか、この前の俺を見てるようで、つい…」 そう言われて思い出した。 「…なみと和樹くんは、もう大丈夫なんでしょ?」 和樹くんが頷いた。 「はい。…俺も、あのときなみにちゃんと話さなかったこと、後悔したんですよ」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1103人が本棚に入れています
本棚に追加