行かなきゃ!

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「…浮気じゃ、ないんでしょ?」 恐る恐る聞いてみた。 和樹くんが笑った。 「友達に、一緒に仕事やらないかって声かけられたんです。そいつんとこ、親父が会社やってるんですけど、新しく支社を拡大させるみたいで」 私は和樹くんの話しを黙って聞いていた。 「なみに何も言わず、今までの仕事しながら友達のとこにも顔を出してたんで、何やってるんだってことになっちゃったんですけど…」 「…仕事のことなら、なみに言ったって別によかったんじゃない?」 運転しながら、また和樹くんが笑った。 「確かに言っても良かったんですけどね、ちゃんとはっきり決めたらって思ってたんです。…夢が生まれてから、俺たちの生活はガラッと変わって、全てが夢中心で回ってるから、なかなか2人でゆっくりっていう時間もなくて」 …そっかぁ。 「やっぱり、育児は大変?」 「半端なく体力使います。それだけじゃなくて、お金だって2人のときよりもかかるし。…だから、仕事変えようって思ったんですけどね。…でも、かわいい愛娘なんで、なんとか頑張ってます」 そう言って、和樹くんはニッコリ笑った。
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