1103人が本棚に入れています
本棚に追加
「…浮気じゃ、ないんでしょ?」
恐る恐る聞いてみた。
和樹くんが笑った。
「友達に、一緒に仕事やらないかって声かけられたんです。そいつんとこ、親父が会社やってるんですけど、新しく支社を拡大させるみたいで」
私は和樹くんの話しを黙って聞いていた。
「なみに何も言わず、今までの仕事しながら友達のとこにも顔を出してたんで、何やってるんだってことになっちゃったんですけど…」
「…仕事のことなら、なみに言ったって別によかったんじゃない?」
運転しながら、また和樹くんが笑った。
「確かに言っても良かったんですけどね、ちゃんとはっきり決めたらって思ってたんです。…夢が生まれてから、俺たちの生活はガラッと変わって、全てが夢中心で回ってるから、なかなか2人でゆっくりっていう時間もなくて」
…そっかぁ。
「やっぱり、育児は大変?」
「半端なく体力使います。それだけじゃなくて、お金だって2人のときよりもかかるし。…だから、仕事変えようって思ったんですけどね。…でも、かわいい愛娘なんで、なんとか頑張ってます」
そう言って、和樹くんはニッコリ笑った。
最初のコメントを投稿しよう!