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私が思ってる以上に、和樹くんは大人かもしれない。
「家に帰った後、時間作って、なみとちゃんと話したんです。お互いの不平不満を言い合いました。…腹わって話し合うって、大事だと思いましたよ」
腹をわって話し合う、か…。
その言葉が、胸に響いた。
私が黙りこんだのが気になったのか、和樹くんが続けた。
「きっと、大丈夫だと思いますよ。だって、向こうがお姉さんのこと誘ってきたんでしょ?」
コクンと頷いた。
「さっきのお姉さん、その彼氏に見せたかったなぁ。…あの必死な感じがグッときました」
「ちょっ、ちょっと、…からかわないでよ!」
私が顔を真っ赤にすると、和樹くんはおもいっきり笑っていた。
私を思い込ませないように、明るい雰囲気で話してくれる和樹くんに、感謝した。
車は、暗い空のした、明かり光り輝く街の中を走っていく。
もうすぐ10時になるというとこで、車は悠哉のマンションの前に着いた。
「和樹くん、ほんとありがとう。気をつけて帰ってね。なみと夢ちゃんによろしくね」
そう挨拶した後、和樹くんは私のアパートへと車を走らせて行った。
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