私だけ

3/10
前へ
/40ページ
次へ
後に続き、私は部屋の中へ入った。 悠哉は真っ直ぐリビングへ。 「何か飲むか?」 「あ、自分で入れます。…悠哉は?」 「俺は出てるからいい」 その言葉に私が頷くと、悠哉はテレビがついてるソファーへ向かった。 私は先にキッチンへ行き、グラスにミネラルウォーターを注いだ後、悠哉の元へ。 グラスを両手で掴んだまま、悠哉の右側へ周り、ソファーに座った。 一口飲んだ後、グラスをテーブルへ置いた。 私の胸の中の音がやたらと大きくて、テレビがついてるのに、まったく耳に入ってこない。 そんなテレビを見つめながら、悠哉に何て話し掛けたらいいか考えていた。 …ちゃんと、話さなきゃ。 そう思っていると、悠哉が私を呼んだ。 「…なる」 ゆっくり、悠哉のほうを見た。 目が合うと、息が詰まり、涙が零れそうになる。 「…そんな顔するな」 なんだか寂しそうに、悠哉が笑った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1103人が本棚に入れています
本棚に追加