1103人が本棚に入れています
本棚に追加
……逆?…どういうこと?
すると、悠哉がテーブルの上にあるリモコンを取って、テレビを消した。
雑音はなくなり、自分の鼓動だけが音をたてている。
また私を見つめたかと思うと、ゆっくり話はじめた。
「前に、こんなに誰かを強く想ったことがないって言っただろ?」
私は記憶をたどり、思い出した後、コクンと頷いた。
「…俺は、抱くということ以外に、お前を繋ぎとめておく方法を知らない。だから、…たぶん今の俺は、お前に少しでも触れたら、めちゃくちゃにしてしまう」
私は息を飲み、悠哉を見つめながら涙を拭って、静かに聞いていた。
「自分の欲求や感情を晴らすためだけに、抱いてはいけない。そう思ってた。…お前のこと、少しでも見つめたら、どうしても手が出そうになる。だから、見れなかった」
そう言って、困ったように笑った。
そんな悠哉の言葉に、私の胸の中が、徐々に熱くなってくる。
…それって、私のこと、想ってくれてるから?
…そう思って、いいんだよね?
最初のコメントを投稿しよう!