第12話

行かなきゃ！

今週も元気にがんばろう！って言いたいとこだけど、週を重ねるごとに、私の心は沈んでいた。

なにも変わらない毎日を、また月曜日から送る。

けれど、悠哉の仕事が少しずつ落ち着きを取り戻しているように思えたのは水曜日あたりから。

しっかり休憩も取れはじめ、仕事の予定に余裕が生まれる。

私の心はホッとしていた。

でも、それだけじゃなかった。

このころから、ほんの少しだけど、氷が溶けはじめているような…、そんな気になってしまうようなことがあった。

朝の予定確認のとき、部屋へは入れてくれずに済ませていたんだけど、最近になりまた社長室で確認するようになったこと。

帰りの挨拶も、「お疲れ」だけだったのが、「気をつけて帰れ」とか、一言つけ加えてくれたこと。

ほんとにちょこっとの違いなんだけど、私にはすごい発展のような気がしてならなかった。

そして流れるまま時間は過ぎ、金曜日を迎える。

今日はなみたちが来るから、なるべくはやめに家に戻らなきゃ。

そう思いながら、１日を過ごしていた。

時計を見ると、６時を回る。