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「そうか。…仕事が落ち着いてくれば、休みも取れると思うんだが…」
「あの、悠哉、ムリしなくてもいいですからね。桜だって、すぐ近くでも見ることできるし」
すると、悠哉が首を振った。
「俺は、なるの言ってた桜が見たい。少しでも時間がとれたら一緒に行こう」
そう言って、ニッコリ笑った。
その気持ちがうれしくて、悠哉の笑顔につられて私も笑った。
夕食後、私は後片付けしていた。
全て片付け終わり、パッと顔を上げてみると、カウンターに頬杖ついてる悠哉と目が合った。
すると、悠哉はニコッと笑った。
まるで天使のようにパアッと明るく優しく微笑んでるし…。
…なんか危険な香りがするんですけど。
「なる、こっちおいで」
私は少々身構えながら、カウンターへと近づき、椅子に座ってる悠哉の前へ。
すると悠哉は私の腰へ手を回し、私の胸に顔をうずめてきた。
子どもみたいに甘えてくる悠哉に、自分が弱いのを知ってる。
胸をキュンとさせながら、悠哉の髪を撫でてみた。
私を上目遣いで見上げ、ニコッとする悠哉。
その笑顔を見て、ピンときた。
…私が甘えてくる悠哉に弱いの、気づいてるんじゃない?
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