晴天-1

18/18
1100人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「そうか。…仕事が落ち着いてくれば、休みも取れると思うんだが…」 「あの、悠哉、ムリしなくてもいいですからね。桜だって、すぐ近くでも見ることできるし」 すると、悠哉が首を振った。 「俺は、なるの言ってた桜が見たい。少しでも時間がとれたら一緒に行こう」 そう言って、ニッコリ笑った。 その気持ちがうれしくて、悠哉の笑顔につられて私も笑った。 夕食後、私は後片付けしていた。 全て片付け終わり、パッと顔を上げてみると、カウンターに頬杖ついてる悠哉と目が合った。 すると、悠哉はニコッと笑った。 まるで天使のようにパアッと明るく優しく微笑んでるし…。 …なんか危険な香りがするんですけど。 「なる、こっちおいで」 私は少々身構えながら、カウンターへと近づき、椅子に座ってる悠哉の前へ。 すると悠哉は私の腰へ手を回し、私の胸に顔をうずめてきた。 子どもみたいに甘えてくる悠哉に、自分が弱いのを知ってる。 胸をキュンとさせながら、悠哉の髪を撫でてみた。 私を上目遣いで見上げ、ニコッとする悠哉。 その笑顔を見て、ピンときた。 …私が甘えてくる悠哉に弱いの、気づいてるんじゃない?
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!