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胸の中の鼓動が早いまま、私は電車に揺られ帰っていった。
アパートに着くと、なみたちが私に気づいたのか車からおりてくる。
「お姉ちゃん、お疲れー」
「なるー」
なみと夢ちゃんが、私を呼びながら近くへ寄ってきた。
「夢ちゃん、こんばんは」
しゃがんで夢ちゃんに声かけると、かわいらしい笑顔を見せてくれた。
気づくと和樹くんも側にいた。
笑顔でペコリと頭を下げた。
「遅くなってごめんね。中に入ろうか」
そう声をかけ、私たちは部屋の中へと入っていった。
部屋へ入り時計を見ると、7時半になるとこだった。
「お姉ちゃん、鍋どこ?」
「あ、今出すよ。……鍋にするの?」
「何言ってんの、当たり前でしょ!我が家は皆集まったときは必ず鍋でしょ!」
私の両親は、家族が集まると必ず鍋にする。そういうところは頑なに守るなみ。なんというか、…微笑ましい。
私がクスクスしていると、激をとばされた。
「お姉ちゃんも手伝ってよ!」
「…はいはい」
用意が出来上がると、みんなで夕食をとりはじめた。
私も、時計を気にしながら食事を進めた。
なみは相変わらずおしゃべりで、夢ちゃんも負けず劣らず元気いっぱい。
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