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胸の中で悠哉を思いながらまた時計を見ると、9時になる。
「そのあとからは夢ってば、お姉ちゃんの影響でパンダばっかり集めるんだよね!………お姉ちゃん?聞いてる?」
「ん!?うん!…聞いてるよ!」
すると、なみが私の顔を見つめた。
「どうかしたの?」
「ん?別に、大丈夫」
私はお構いなしに夢ちゃんとパンダのぬいぐるみで遊んでいた。
キャッキャはしゃいだ後、今度は和樹くんの元へ。
こんなに賑やかな夜は、久しぶり。
そう思いながら、また悠哉のことを考えていた。
悠哉は今日も、あの広い部屋で、1人で過ごすの?
私のこと、どう思いながら誘ってくれたんだろう?
…また、誘ってくれる?
もしかして、もう、声さえかけてくれなくなっちゃうんじゃない?
「あはは!夢、パンダさんそんなふうにいじったらお姉ちゃんに怒られるよ!…ねぇ!?」
なみがそう言って私を見た。
「……お姉ちゃん?…何泣いてんの!?」
ダメだ!
私、行かなきゃ!
悠哉のところに、行かなきゃ!
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