醜い略奪

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私の頭を撫でる手が心地良い。 不思議と直ぐに眠気が襲い掛かる。 身体はまだ痛いけれど、今はもう心は痛くないから、穏やかな気持ちで眠れる。 雷牙に話したのが良かったのねきっと。 雷牙が私を信じてくれた事、そして今こうして傍に居てくれる事が今の私にとっては一番の安心材料なんだわ。 「雷牙…有難う」 「どう致しまして」 「おやすみなさい」 「おやすみ」 私の意識が完全に落ちるまで、雷牙はずっと頭を優しく撫でてくれた。 有難う…雷牙… 有難う……。
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